古いブログに書いた記事です:
===20180202===
マーティー・フリードマンさんが日本のポップスの特徴について説明する動画を見つけました:
Guitar Lesson: Marty Friedman - Japanese style guitar improv (Total Guitar)
J-popの特徴として:
①マイナーの響きの使用(日本の伝統音楽の影響)
➁ジャズっぽいコードの使用(ほどよくテンションを入れることだと思う)
③ポップスやメタルなどジャンルを問わない共通のコード進行
だそうです。
①のマイナーの響きについては、もともとメイジャーっぽい響きの民謡(農村部)が、大都市でマイナーキー化して都節(みやこぶし)音階が生まれた、とどこかで読みました。そんなところが影響しているのかもしれません。日本では伝統的に、アーバンサウンドはマイナーキーなんだね。
↑『音楽からみた日本人』(小島美子著、NHK出版)に書いてあったと思う。
たしかに、洋楽ではドミナント7のコードを使いがちなところで、J-popはマイナー7を使うことがあるかなぁという気がします。逆に、J-popの曲で、マイナー7の部分をドミナント7にすると、なんだか洋楽っぽくなるなぁと思います。ドミナント7は、キーがCメイジャーだったら「ソシレファ」で、基本コードの「ソシレ」がメイジャーコードで明るい響きだし、また、トライトーン(減5or増4)の「シ&ファ」が含まれていて、「シ」がどうしても「ド」に、「ファ」がどうしても「ミ」に行きたがるので、「I コード(ドミソ)」へ落ち着きたいという、急ぎはやる気持ちがあります。
これに対して、マイナー7は、マイナーコードで、しかも、どうしても「I コード」へ落ち着きたいという焦燥感のある音がないので、ある意味でがっつかない、ふわりと粋な感じがあるのかもしれません。
日本のマイナーペンタトニックスケール(5つの音の音階)である「平調子(ひらぢょうし)。都節のモードのひとつ」について、メタルギタリストの方が説明する動画がひっかかってきました。ナチュラルマイナースケールを基本に、平調子と西洋のマイナーペンタトニックの音の違いを簡潔に説明しています:
Oli Herbert of All That Remains - The Hirajoshi Scale Lesson!
↑後半のアドリブ用練習ルーチンが役に立ちそうだね。
↓ちなみに、西洋のマイナーペンタトニックスケールは、日本の民謡音階と同じだ:
↓上記のギタリストの方が平調子について書いているGuitarWorldのサイト:
Investigating the Hirajoshi Scale (Oli Herbert)
平調子は、マイナーのトライアド(3和音)に、地獄的サウンド効果のためにクラシックやメタルで使われるトライトーンを組み合わせたスケールだからなのか、ピアノやエレキギターで平調子を弾くと、暗く激しい感じがして、クラシックやメタルに通じるものが感じられますが、歌舞伎で三味線&太鼓&声で奏でられる音楽は、基本マイナーキーだけど、暗くも明るくもなく、ふわふわと浮遊感があるように聞こえるのは何故なんでしょうか?ここに、明治以降の日本の音楽の西洋化によって失われた何かがあるのでしょうか。その名残がJ-popの特徴的なコード進行に何となく残っているんでしょうか。
ご参考①:Adam Neelyさんの、トライトーンに関する動画
ご参考➁:ベートーベンはメタルか? - おんがくの彼岸(ひがん
と、ここまで書いて何日か放っておいたんですが、あらたに、フュージョン系のバッキングで平調子をアドリブ練習するための動画がひっかかってきました。機能和声の裏をかいていく20世紀のハーモニーと合わせると、歌舞伎の音楽のように浮遊感のある粋なアーバンサウンドになるんだね。平調子の使い方でとても参考になると思いました:
① E HIRAJOSHI FUSION Backing Track
➁ Hirajoshi scale in C - guitar backing track
もとの記事:
https://ameblo.jp/tokyotoad/entry-12346707018.html?frm=theme
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