ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

夢をあきらめて良かったか?

以下は、20211213にアメブロに書いた記事:

 

先日書いた記事:

私がピアノを独学している理由

 

の続きではないが、

 

この動画

のリンク先に何があったのか、忘れてしまったが

(数日前に貼りつけてからうっちゃっておいた記事なので、記憶がゼロ!)

 

音楽の仕事がしたいという夢を漠然と持っていた子ども時代。

中学卒業までには現実を知ったので、

そんな夢をあきらめて、一般の大学への受験勉強を始めた。

 小学校時代は「音大へ!」と意気込んでいた親が、

 中学になったら何も言わなくなり、そのかわりに別のスキルについて声高にハッパをかけるようになったのだが、

 親は、子どもを音大に行かせることがどんなにお金がかかるのかを、わかったんだと思う。 

 

一般の大学の、バブル前の女性にとって「就職に有利」といわれた学科を受験して、

大手企業でお茶くみコピー取りの仕事、いわゆるOLをした。

大手企業を退社後は、いろいろな会社で、

いわゆるお姫様キャリアウーマンたちの下女のような立場で働いてきた。

  (↑ 冒頭の動画の内容を思い出した。 

     今も昔も、洋の東西を問わず、

     人生でキャリアを追い求めることができる女性は、

     特別な階層や親の元に生まれた、特別な人たちだ。)

 

でも、私にとっては、それが最適な生き方だったと思う。

 

 「地盤」「看板」「カバン」があれば、超人的な頭脳や行動力がさほど無くても圧倒的に政治家になりやすい。

女性も同じだ。

 男性よりも生物学的に身体が脆弱で、

 1か月のうち1週間は男並みには働けず、

 だからなのか、健康体でも男性に比べて半分程度しか賃金をもらえず、 

 いわんや妊娠⇒出産したら仕事の生産性が激減する女性は、

 親の「地盤」「看板」「カバン」に恵まれているかどうかが、キャリアに大きく影響するのは、当然のことだ。

 妊娠中⇒出産後にお手伝いを雇える金銭的な余裕があれば、キャリアを続けられる。

 カネがなければ、あるいは、カネが尽きたとたんに、

 女性のキャリアの道はあっという間に閉ざされる。

 それらがなくても突破できる人たちは、

 とびぬけた頭脳や異才に恵まれた、ほんの少人数だけである。

 

それは、昔から変わっていない。 なぜなら、

女性の生物学的特徴はサルのころから変わっていないからである。

紫式部清少納言の正式な名前はわかっていない。

というか、もともと正式な名前すらなかったのかもしれない。

彼女たちの名前は、

「式部という位の父親の娘でニックネームは紫ちゃん」

少納言という位の父親の娘の清ちゃん」

である。

彼女たち本人ではなく、

父親の社会的地位が、彼女たちの人生なのである。

 

一部の超人的な例外を除いて、

父親の社会的地位がとるに足らない女性の人生は、

とるに足らないものになる。

 

そんな私も、

還暦近い今、ようやく息ができる人生になった。

 

息ができるようになって、

好きな音楽を独学できる時間があって、

質素に慎ましく暮らしていけば、明日に困ることもない。

ようやく、キッチンペーパータオルをケチらなければ!と思わずに使えるようになった。

旅行もしない。 外食もしない。

それでも、

寄る年波で人間ドックにひっかかっても、医者に行くのをケチらずにすむ生活はできている。

 

 

私は、子どもの頃の夢を叶えたのだ。

好きな音楽を好きなように楽しめる。

そうなるのに、私の場合は半世紀かかった。

でも、

人生なんてそんなものだ。

以前このブログに書いたが、

私にとって、

夢は「買うもの」だ。

夢は、お金で買うものだ。

だから、人は、

夢を買うために、

人生の90パーセントいや95パーセントを、

人さまのために働いて、お金を得る。

働いて稼いだお金で、

自分が本当にやりたいことを買うのだ。

人生、そんなものだ。

以前、

とある著名なファッションモデルの人が、

ジャズシンガーになりたくてジャズシンガーとして活動していたら、

気がついたら借金が1億円になっていた、

とインタビューで語っていた。

そういうものなのだ。

「○○になりたい!」という夢を叶えたいなら、

その夢を叶えるために、お金を払うのだ。

夢を叶えて、しかも、お金を稼げるのは、ほんとうに稀だ。

その、ジャズシンガーへの夢のために借金が1億円になってしまったファッションモデルさんは、

自分がジャズシンガーになりたくて、その夢のためにお金を払っていたのだ。

何にお金を払っていたかって?

自分が歌う場所(ライブハウス)のレンタル料、

自分のバックで演奏するミュージシャンたちへのギャラ、

そういうものに、お金を払い続けたのだ。

借金までして。

どうして彼女は、ジャズシンガーとしての活動に

お金を払い続けなければならなかったかって?

世間様は、「ジャズシンガーとしての彼女」を求めていなかったからだ。

「ジャズシンガーとしての彼女」を評価していなかったからだ。

だから、世間様は「ジャズシンガーとしての彼女」には

ビタ一文もお金を払わなかったのだ。

「ジャズシンガーの彼女」は、世間様が彼女に求めるものではなかったのだ。

世間様が求めていたのは、「ファッションモデルとしての彼女」だった。

だから、

世間様は、「ファッションモデルとしての彼女」にはバンバンお金を払った。

つまり、

彼女は売れっ子のファッションモデルになったが、

ジャズシンガーとしては「素人の趣味道楽」で終わってしまった。

そして「ジャズシンガーの夢を追い求める」という

趣味道楽の値段が、

1億円の借金の山だった。

 

 

どんなに小さい頃からお稽古に通っても、

どんなに難関の専門高等教育機関を卒業しても、

どんなに湯水のようにお金をかけても、

それで世間からお金を稼げて

収支がプラスにならなければ

それは素人の趣味道楽だ。

 

 

あなたの趣味道楽の値段は、いくらですか?

 

それとも、

 

あなたのご両親の趣味道楽の値段は、いくらですか?

 

 

 

「夢は、買うもの」だ。

そして、

「現実の仕事は、稼ぐもの」だ。

 

現実の仕事で稼いだお金で、

自分が夢見たことをやる。

夢を、買う。

 

一流のミュージシャンですら、そうだ。

彼らの人生の時間の95パーセントは、

著名シンガーや大物アーティストや人気アイドルグループの

ステージの薄暗い後方で演奏したりレコーディングで演奏したりする、

サポートミュージシャンの仕事だ。

サポート演奏の請負い仕事でお金を稼いで、

わずかに残った自由な時間で

お金を払って人を雇い、

自分のオリジナル曲のレコーディングをしたり、自分のライブを行う。

 

実は、前述の

借金が1億円になってしまった売れっ子ファッションモデルさんは、

ジャズ活動にお金をつぎ込んでいる間は、

ジャズシンガーとして活動していたのだ。

ほら、

「夢は買うもの」でしょ?

 

 

人生半世紀たって、

ようやく、いくばくかの自由な時間ができた私は、

まだ生きている。 そして、

お金は無いけれど、時間ができたので、

時間を費やして、子どもの頃の音楽の夢を、細々とではあるが、

今、叶えている。

 

子どもの頃の夢が、叶っている。

 

私は、自分の夢を叶えた。

 

 

tokyotoad=おんがくを楽しむピアニスト

 

 

もとの記事@アメブロ

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このブログ「おんがくの彼岸(ひがん)」は、私 tokyotoad が、中学卒業時に家の経済的な事情で諦めた「自分の思いのままに自由自在に音楽を表現する」という夢の追求を、35年ぶりに再開して、独学で試行錯誤をつづけて、なんとかそのスタート地点に立つまでの過程で考えたことや感じたことを記録したものです。

「おんがくの彼岸(ひがん)」というタイトルは、「人間が叡智を結集して追求したその果てに有る、どのジャンルにも属さないと同時に、あらゆるジャンルでもある、最も進化した究極の音楽が鳴っている場所」、という意味でつけました。 そして、最も進化した究極の音楽が鳴っているその場所には、無音静寂の中に自然界の音(ホワイトノイズ)だけが鳴っているのではないか?と感じます(ジョン・ケイジはそれを表現しようとしたのではなかろうか?)。 西洋クラシック音楽を含めた民族音楽から20世紀の音楽やノイズなどの実験音楽まで、地上のあらゆるジャンルの音楽を一度にすべて鳴らしたら、すべての音の波長が互いにオフセットされるのではないか? 人間が鳴らした音がすべてキャンセルされて無音静寂になったところに、波の音や風の音や虫や鳥や動物の鳴き声が混ざり合いキャンセルされた、花鳥風月のホワイトノイズだけが響いている。 そのとき、前頭葉の理論や方法論で塗り固められた音楽から解き放たれた人間は、自分の身の中のひとつひとつの細胞の原子の振動が起こす生命の波長に、静かに耳を傾けて、自分の存在の原点であり、自分にとって最も大切な音楽である、命の響きを、全身全霊で感じる。 そして、その衝動を感じるままに声をあげ、手を叩き、地面を踏み鳴らし、全身を楽器にして踊る。 そばに落ちていた木の棒を拾い上げて傍らの岩を叩き、ここに、新たな音楽の彼岸(無音静寂)への人間の旅が始まる。

tokyotoadのtoadはガマガエル(ヒキガエル)のことです。昔から東京の都心や郊外に住んでいる、動作がのろくてぎこちない、不器用で地味な動物ですが、ひとたび大きく成長すると、冷やかしにかみついたネコが目を回すほどの、変な毒というかガマの油を皮膚に持っているみたいです。

 

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↑ 不本意にもこんな野暮なことを書かなければならないのは、過去にちまたのピアノの先生方に、この記事の内容をパクったブログ記事を挙げられたことが何度かあったからです。 トホホ...。ピアノの先生さんたちよ、ちったぁ「品格」ってぇもんをお持ちなさいよ...。

 

tokyotoad