ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

ふるさと納税は21世紀の参勤交代だ

 

ふるさと納税は、21世紀の参勤交代である!」 

と直観したので、ここに書き留める。 

 

江戸時代の参勤交代は、徳川幕府が諸国の大名に散財させ藩の財政を疲弊させて軍事力の蓄積力を削ぐために作った制度だったが、参勤交代によって、各街道の宿場町におカネが落ちて宿場町が栄え、また、大名行列の一行によって、日本各地のご当地の名産品や情報が江戸に集まり、それが今度は、諸国に帰る大名行列の一行によって、全国各地にもたらされた。 つまり、参勤交代制度によって、日本全国レベルでカネとモノと情報が行き交うようになった。 「日本温泉番付」や「日本名山番付」が作られて庶民が楽しんだのも、大名行列の一行を媒介として全国規模の情報のやりとりが行われたからだ。

 

21世紀のふるさと納税も、同様の効果をもたらしはじめているのではなかろうか。 全国ベースで各都道府県の間でカネとモノと情報が行き交う。 この制度を発案した人たちがそこまで考えていたとは思えないのだが、結果的に、そうなっている。 21世紀の大名行列は、宅配便とインターネットに姿を変えたが、各地のご当地名産品を選んで買い求めることで、日本中でおカネとモノがものすごい勢いで行き交っている年末だろう。 被災地の名産品を買えば復興支援になるし、国境付近の離島の名産品を買えば、離島を有する地方自治体への経済支援になり、自治体は日本全国からの応援の気持ちを直接感じられて心強いだろう。 ふるさと納税は、返礼品を運ぶ日本の宅配企業の収益にも貢献し、雇用を生み、日本全国の運輸(陸運・海運・空運)が活性化する。 運輸は国の物流の血管。まさに循環器系の活性化だ。

 

これによって国内の消費が増えて日本の経済が良くなってほしい。 バブルの頃までは、民間企業が製造する自動車などの製品を、短いサイクルで国民に買い替えさせることで経済を回していた感がある。 経済的に弱い地方自治体は公共事業を行って無駄に地面を掘り起こしたり要らない箱モノを作ったりするしかなかったが、今や、魅力的で質の高い名産品を作れば、全国の人たちが買ってくれて直接税収になる。 ふるさと納税は、各地の名産品をいろいろ見て比較して選ぶ楽しみがあり、また、支払ったおカネは、必ず日本の自治体に支払われて日本各地の人々の暮らしに貢献することになる。 お買い物エンターテインメントと、各地の復興&経済支援に貢献する助け合いの気持ちと、両方を満足させるから、盛り上がっているのだろう。 日本の国富が、いたずらに海外に流出して失われることなく、日本国内にとどまってぐるぐると環流している。 天下の御通用(=おカネ)の渦潮(うずしお)の中から活力が生まれてくる。 

 

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