ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

ピアノと占い ②

 

昨日、発作的に書いた記事の続きです。

 

私は、「占いとは、現在から過去に向かって楽しむもの」だと思っている。 つまり、占いとは、「現在から過去を振り返って楽しむもの」というのが、占いに関する私のスタンスだ。 前回書いた記事だって、「あれ~? 私が子どもの頃からずっとアコースティックピアノが好きなのって、もしかすると、「火性」の私がさぁ、アコピの「薪(材木)+ノコギリ(金属ハープ)」をさ、自分の魂が燃焼する燃料源と感じていたからなのかなー! おもしろいなー!」とひとしきりウケて楽しむエンターテインメントなのだ。

 

これがね、

「私の息子は占いによると「土性」の魂なのですが、私はどうしても息子をクラシックピアニストにさせたいのです!「火性」が乏しい息子はクラシックピアニストになれるでしょうか?」

なんて、占い師に自分の子どもの将来を真顔で聞いてくる人がいたら、

どんな占い師に尋ねても、彼らの答えは

「わかりません」だろうね。 

もしも答えを知りたければ、その占い師さんにもっとたくさん関連情報を伝えてあげるといいだろう。 たとえば、お宅の年収や、現在の貯金の額や、そのほかに所有する金融資産や不動産物件の評価額や、あるいは住宅ローンなどの借金があるかどうかや、息子さんに兄弟姉妹が何人いるかどうかや、介護が必要なおじいちゃんおばあちゃんがいるかどうかや、そのほかに扶養が必要な出戻り家族がいるかどうかなどを、占い師さんに教えてあげれば、彼らはかなり正確に「占ってくれる」はずだ。 

これらの情報を伝えた後に占い師さんが「息子さんはクラシックピアニストになれますよ」と答えたら、かなりの確率でなれると思うよ、親御さんがそうしようと思えば。 

ただし、占い師さんは決して「息子さんは、演奏活動で稼いで自活できるクラシックピアニストになれますよ」とは、言わないはずだ。

 ↑「これって占いなんですか?」と聞く人がいるかもしれないけど、

そうだね~、その人にとって占いであれば、占いなんじゃないの? 

てことだよ。

 

それから、

30歳を超えた自分なり自分の子どもなりの今後のキャリアの展望について占い師さんに相談する時点では、かなり手遅れかもしれないと、個人的には思う。

最近視た動画で、

「知り合いの30歳超の娘さん(楽器演奏家)が、留学先の国でオーケストラに採用されたいのだが、言葉遣いに難があって楽団員とのコミュニケーションがうまくとれず、今のところ定職にありつけずに単発の演奏仕事が来るとそれをこなす日々ですが、今後どうしたらよいでしょうか?」...

みたいな相談に、とある占い師さんが答えていた。 その占い師さんは、そのお嬢さんの命式なるものを眺めながら、相談者にそのお嬢さんについていろいろ聞いて、相談者はそのお嬢さんの性格や親御さんの心境などをペラペラ占い師さんに教えていた。 

一連の会話のあとに占い師さんが出した答えは、しごくまっとうな内容だったよ。

ぶっちゃけ、その会話をひとしきり聞けば誰でも引き出せる結論を、占い師さんは答えただけだったよ。 

そもそも、コミュニケーションがうまくとれない人が、オーケストラなんていう会社のような組織の中でうまく機能するはずがないことは、だれでも容易に想像がつく。 言語の違いで意思疎通が困難だとしたら、何年もその国に住んでいてオーケストラの定職につきたいと思っていながらどうしていつまでたっても言葉をちゃんと覚えようとしないんだろう?だし、言語の違いが原因じゃなくて対人コミュニケーションに難儀するような人なら、どの国に行っても対人コミュニケーションに難儀するような人だろうから、日本に戻ってきて日本のオーケストラに職を探しても当然厳しいだろうし、だいいち日本国内にはすでに日本国内で何年も頑張ってきてオケの空きポジションの順番待ちをしている演奏家が鈴なりにいて、入り込める隙間すら無いだろう。 

その占い師さんが言ったなかで唯一、占いっぽい要素だったのは、「そのお嬢さんの運勢のサイクルが変わる数年後に、お嬢さんは日本に帰ってくるかもしれませんね」て内容だったけど、そのころまでには、そのお嬢さんは40歳近くになっているだろうから、このままその国の仕事仲間たちとのコミュニケーションがうまくできないまま不安定な日雇い仕事を続けていれば、どっちみち仕事が減るか親からの軍資金が尽きるかして遅かれ早かれ日本に戻ってくるしかないよね?と私はすぐ思った。 

占い師さんは、この世の明らかな道理を話しただけなんだよ。 だってさ、そもそもの話、コミュニケーションに難が有る人が、集団でハーモニー(和)を組織的に演奏することが死活的なオーケストラで使う楽器を音大で専攻できちゃって、卒業までできちゃって、しかも留学までできちゃった、ていうことに、実の原因があるからね。 だけどさ、「それを言っちゃぁ(占い師の仕事が)おしめぇよ!」だからさ、占い師さんは、一般的なこの世の道理を占いっぽく話しただけなんじゃないかな。 

 

それから、

頭が柔軟で方向転換できる見込みがある10代や20歳そこそこの人に対してならまだしも、30歳を過ぎた、出来上がっちゃっている人に、今さらアドバイスしてもね...。

 

なぜ30歳以上になってから自分のキャリア展望について占いに頼っても甲斐がないかというと、 

占いなんていうエンターテインメント以前の、

この世の摂理として、

人は30歳までに、その人のキャリアの将来の展望が大筋決まってしまうからなんだよ。

将来その業界や職業で一流になる人たちは、20代の間に、傑出した才能やスキルに加えて大変な努力をして遂行する仕事ぶりが職場の上司や業界の上層部の目にとまり、将来を見込まれて次々と重要な仕事を任され、その度(たび)に確かな結果を出し続けているうちに、30歳前後までに社内や業界内で高い信用を獲得して自然と出世コースに、つまり一流へのルートに乗ってしまう。

だから、30歳を過ぎてもキャリアの展望で行き詰まっている人は、30歳の時点で出世コース(=一流へのルート)に乗ってしまった人たちとの間に既に決定的な差が生まれてしまっているから、そこからどんなに努力しても、既に一流へのルートに乗ってさらに頂点を目指して仕事にまい進し続ける先頭集団に追いつけるのはほぼ不可能で、未来永劫ずーっと二流以下の存在に甘んじることになるのが明らかだからだ。 

これは、サラリーマンでも医者でもミュージシャンでも、どの業界・職種も同じことだ。

ケンバン界では、すでに出世コース(=一流へのルート)に乗った20代~30代前半のケンバニストさんたちがチラホラ出現していて、彼らがこのまま順当に仕事で結果を出し続けていけば、50歳前後で超一流の存在になるだろうということが、業界関係者じゃなくても社会で30年以上働いてきた人たちには、予想できてしまう。 彼らの演奏を聴くまでもなく、海千山千の超一流ミュージシャンたちの伝説的な著名バンドや音楽業界の大規模プロジェクトに常に起用されているという事実だけで、じゅうぶんに予想できてしまうのだ。 

 

30歳以上になってキャリアがうまくいかないからと、姓名判断で改名しても、効果は無いだろうと私は思う。 親戚の「ミュージシャン」の女性が当時「10分で10万円」の占い師に見てもらって改名までして、何年かしたら事務の仕事をするようになったので、私はそう思っています。 ぶっちゃけ、仕事というものは、名前じゃなくて実力でするものだからね。

 

人間の生物学的なタイムリミットも考慮に入れたい人がいるかもしれない。

女性は、29歳を境に男性にとっての生物学的な魅力が激減するそうなので(女性は30歳を超えると妊娠しにくくなり、男性が持つ子孫を増やしたい本能に訴えることが難しくなるそうだ)、いままで追いかけてくれていた男性ファンの激減に見舞われるかもしれないし、結婚に路線変更してお見合いしても20代の女性に負けてしまうし、年齢が上がるにつれてますます不利になっていく。 一方男性は、どんどん若くてイキのいい新人男性が参入してきて、女性ファンがそちらへ流れてしまう可能性がある。 女も男も、花(生物学的な若さ)の命は短いから、20代のうちに実の有るスキルを養って仕事で結果を出し続けて30歳前後までに業界や職場の信用を得ることが、あらゆる職種のキャリア展望にとって肝心かなめだ。 占いよりも神仏祈願よりも、何よりも、目の前の仕事を一生懸命やってコツコツ結果を出し続けて、クライアントや職場の上司や同僚からの信用を確立し続けることが、人生の開運のカギだ。

 

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