ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ道楽の日々

ピアノ楽譜の「初級」「中級」「上級」分けと、手の大きさ

noteに書いた記事のコピペです👇

 

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【ピアノ楽譜の「初級」「中級」「上級」分けと、手の大きさ】

 

クラシックピアノ教育界では、楽譜を「初級」「中級」「上級」にクラス分けされていますね。  


ネットで見つけた一例では👇   

①上級:
 キー:自由(#や♭が何個でもOK)
 拍子:自由 
 音符:自由   
 曲の長さ:自由
 片手で届く範囲:自由(オクターブ以上の和音OK)

②中級:
 キー:自由(#や♭が何個でもOK)
 拍子:自由 
 音符:自由  
 曲の長さ:自由
 片手で届く範囲:1オクターブ以上の和音の使用は控える 

③初級:
 キー:#や♭が2個まで
 拍子:自由 
 音符:8分音符以下  
 曲の長さ:自由  
 片手で届く範囲:和音は1オクターブまで 


だそうです。  


これを当てはめたら、私は②中級になりますかね👇
 私 キー:黒鍵全部使いのキーの方が好きですからね。
   拍子:5拍子や7拍子も弾きますからね 
   音符:32分音符までですかね。 
   曲の長さ:5分以上の曲は弾きますね。 
 と、ここまでは私も「①上級国民」になるみたいですがね、 
 さいごの
   片手で届く範囲:自由(オクターブ以上の和音OK)
 これがキビシイと思います。
 私は、左手も右手も片手で一応9度が届くんですが、
 届くことと、弾くことは、別ですもんね。 

 ゆっくりした曲では、オクターブのユニゾンは押さえられますけど、速い曲だと、確実に何個かハズしますね。
 それから、オクターブの和音、たとえば[C, E, G, 上のC]は、音をきれいにそろえて、しかも上の[C]を目立たせて弾くようなコントロールは、できませんね。 
 理由は、私の手の大きさの他に、指の長さが関係してくるかもしれません。
 小指が長い人は、ピアノを弾くのに有利と聞いたことがあります。小指が長いとオクターブの和音をきれいに弾けるんでしょうね。
 私はそうではないので、物理的に無理が有るんですね。  

 そうです、
 練習以前に、私の手の大きさでは、物理的に無理なんですね。 

 「上級曲」を弾こうと思えば弾けると思いますよ、たとえば、届かないオクターブ和音の下の音を省いたり、バラシ弾き(アルペジエイト)したりすれば、弾けますよ。 
 でも、届いてきれいに弾ける人の演奏と比べられたら確実に劣りますから、比較審査されたら「劣る」と評価されますね。
 無理して届こうとすれば、一番上の音を外してミスタッチする可能性大ですしね。
 つまり、練習以前の問題で、届かないから、マトモに弾けないんですね。


それでは、
私が子どもの頃に習っていたピアノの先生は、どうでしょうかね? 


この先生、私より手が小さくて、オクターブにギリギリで届かない人なんですよね。
つまり、オクターブのユニゾンを弾くのが無理な先生なんですね。 

もうその時点で、私のピアノの先生は、②中級国民以下が確定しちゃいましたね。 

しかも、

②中級:
 キー:自由
 拍子:自由 
 音符:自由  
 曲の長さ:自由
 片手で届く範囲:1オクターブ以上の和音の使用は控える。 

👆ですから、オクターブに届くか届かない私のピアノの先生は、②中級の楽譜でも、物理的に弾けない箇所がある。ということは、たとえば片手で軽々10度が届く人の演奏に、確実に劣る演奏しかできない。


私のピアノの先生は、②中級よりも、

③初級:
 キー:#や♭が2個まで
 拍子:自由 
 音符:8分音符以下  
 曲の長さ:自由  
 片手で届く範囲:和音は1オクターブ以内👈 

だったら、かろうじて弾けるかもしれませんね。

ピアノの先生なのに、手が小さくて物理的に届かないから、③初級国民ですね。
どんなに練習しても、届かないから、ピアノ教育国においては③初級国民に階級分けされます。

でも、そんなに小さな手なのにショパンやリストを教えてましたよ。 

自分で弾けない曲を、どうやって教えるかって? 

お手本を見せないで、言葉だけで教えるんです。 

実際に弾くのを見せることを全然しないで、言葉によるダメ出しとハッパがけで教えるんです。 
つまり、
示威的な言葉を使って生徒に「恐怖のモチベーション」を植え付けて教えるんですね。
 
(「恐怖のモチベーション」という言葉は、音楽家向けアレクサンダーテクニックのトレーナーのバジル・クリッツァーさんが、「ピアノ教師は '恐怖のモチベーション' で育てられている」みたいな内容を話しているのを何かの本で読んだ時に、はじめて目にした言葉です)


私は、子ども時代はそれを何とも疑わなかったんですけど、

私も社会人になって、会社勤めを始めると、

仕事を教えてくれる先輩方って、

当然その仕事を目をつぶっても出来るぐらいに
熟達している人たちなんですね。  

そういう環境で30年近く働いてきた後で、
ピアノを再開した折に、また子どもの頃の先生に習った時に、
私はガーシュインのある曲の譜面を教えてもらおうと持っていったら、
先生に「これは無理!」って、
手を払うような仕草とともに言われちゃったんだよね。
その時、私は、とてもムッ!としたんだよね。
「いくら子どもの頃にピアノが下手で、30年以上ブランクが有っても、今弾きたい曲なんだから、教えてくれてもいいのに!」って。
でも、今思うと、
「これは無理!」って、先生が、先生自身に言ったんだと思いました。
そりゃ無理だよ!
ガーシュインは片手で10度が届かないと、マトモに弾けないもん。
もちろん私も無理だけどさ、
先生はもっと無理だよ!
私は9度まで、先生はオクターブすら届かないんだから。
でもさ、9度届いても、8度も届かなくても、
無理であることには変わりはない。
②中級国民と③初級国民の目くそ鼻くその底辺争いだ。ハハハ!


ところで、あなたは、片手で何度届きますか?

もし、あなたが片手で10度以上が届くのなら、
それだけで、ピアノ教育国では①上級国民ですよ。
それなのに、
「あなたは初心者だからバイエルからはじめましょうね」なんて言われて、
延々とバイエルやらされてませんか?

ちなみに、バイエルって、③初級国民の教則本みたいですよ。
あなたは、その手によって生まれつき①上級国民なのに、③最下級の身分のものをやり続けているというわけです。

②中級国民は、ツェルニー30番程度らしい、 
①上級国民は、ツェルニー40番以上らしい。

でも、ツェルニーって、古典派までの演奏技術なんだよね。私の子ども時代の先生がそう言ってたよ。 

古典派までの音楽は、基本チェンバロベースの、「ドミソ」みたいな「3度堆積の3和音」と呼ばれるものが基本なんだよね。
チェンバロは、
  (1)音に強弱が付けられない、
  (2)ダンパーペダルが無い
そういう時代の鍵盤楽器なので、大きな音を出すには、「ドミソ」みたいなクロースポジションコード(密集配置の和音)を使って音の存在感を出していくそうですね。 
だから、古典派までの鍵盤楽器曲は、「ドミソ和音」や「ドソミソドソミソ」左手伴奏が多いんだね。

これが、
印象派以降になると、現代のピアノ(モダンピアノ)が開発されてダンパーペダルによってサステインを効かせられるようになったから、オクターブ以上の和音がどんどん出てくる。
印象派以降、「ド, ソ, 上のミ」の10度のオープンポジション(開離配置)のコード(和音)がふつうに使われるようになったのは、サステインで音を伸ばせるようになったからじゃないかな。 
そんな現代の作品の中には、ゆっくりした曲もある。 
片手で10度以上が届く人しか物理的に弾けない、たっぷり+ゆっくりした曲がたくさん有る。

それでも、
片手で10度以上が届く①上級国民でも、それを弾くためには、バイエルやツェルニー40番まで、延々とやらなければならないみたいですね。  

それから、
絶対音感は50歳前後でズレ始めて、60歳になると完全に失われる」という説が、どうやら通説になってきているようです(下記記事ご参照👇)。

つまり、
50歳以降のピアノは、自分の音感が加齢によってますます狂っていく中でやることになる。
あなたが弾きたいと夢見る曲を弾かせてもらえる時が来るまで、
 あなたの音感がもつといいですね。
 あなたの健康寿命がもつといいですね。 


ちなみに、
①上級の上に、⓪超上級っていうのがあるみたいですね。
私の想像なんですけど、
⓪超上級って、オープンポジションコード(=10度の和音)の片手弾きが普通に出てくる楽譜だと思いますよ。
だとすると、
アメリカ人のジャズピアニストのトランスクリプション譜は普通に⓪超上級になりますね。
「宝島」を作曲した和泉宏隆さん(元Tスクエア)のソロピアノ演奏のトランスクリプション譜も⓪超上級ですね。👈私は、ピアノ教育国では②中級国民みたいですが、持ってます。 

したがって、ピアノ教育国の階級制度は:
 ⓪超上級国民:片手で10度以上の和音(オープンポジションコード)が弾ける人
 ①上級国民:片手で8度以上の和音が弾ける人 
 ②中級国民:片手で8度以上の和音が弾けない人
 ③初級国民:片手でオクターブすら届かない人 

👆そして、ピアノ教育国の国民は、生まれ持った手の大きさで選別されるので、生まれつきの階級を変えることが永久にできないんですね。 戦国時代の下剋上とか物理的に無理なんですね。 

👆私ですか?私はピアノ教育国に属さない外国人なので、ピアノ教育国の治外法権です。


~ピアノ方丈記