前回の記事までは:
ピアノの「大人買い」番付 その②:「行司(ぎょうじ)」 - おんがくの彼岸(ひがん)
大人のピアノ愛好者ならやってみたい、ピアノの「大人買い」において、
「大人買い」のスケールが突き抜けすぎていてもはやランキング不可能な:
「勧進元(かんじんもと)」= ランキングの主催者と、
「行司(ぎょうじ)」= ①には及ばないが同じくランキングを超越した存在、
を、発表してきたよ。
そして、いよいよ今回は、ランキング本体に入って、
ピアノの「大人買い」番付を、上から順に発表していくよっ!
と、ここで、ふと思ったんだ。
ふつうはさ、
ピアノ買いのランキングって、
1位は:世界3大ピアノブランドのグランドピアノ(新品)を所有、
2位は:上記の中古グランドまたは新品アップライト、国産グランドの新品を所有、
3位は:国産グランドの中古か新品アップライト、
4位は:国産アップライトの中古か電子ピアノ
...........
.....
みたいになるかな、と最初は思っていたんだけど、
大人のピアノは、
そんなに単純なものじゃないなぁ!
って、思い始めた。
だって、
大人のピアノは、
各自の価値観や生き方によって
趣味道楽の規模も方向性も千差万別。
「ピアノは電子ピアノよりも、(先生が勧める)アップライト。アップライトよりも(先生が勧める)グランドピアノ!」(←そして先生は楽器店からキックバックを受け取れるのかな?)
という、子ども向けのピアノお稽古のピアノカーストみたいな
画一的な尺度が、まったく当てはまらないのが
大人のピアノの真骨頂だからだ。
であるからにして、
大人のピアノとは、当然のことながら、
「ママさん先生が先生の自宅のピアノで月謝を取って子どもの生徒にピアノを教える」というヴィークルを通して「生徒の家庭に楽器を勧め、ピアノ教育団体が主催するコンクールへの参加を促す」ことによってピアノ教師・楽器店・コンクールを主催するピアノ教育団体といった、あちら側が潤うように出来上がった、従来の子ども相手のピアノのお稽古の制度機構から、
はなっから外れた、というか、
さいしょっから突き抜けた存在なのだ。
新社会人として現実社会に飛び込んで揉まれたりハラスメントされたり踏んづけられたり逆に反撃して踏んづけ返したりしている間に、
鎧兜に刻まれた生々しい無数の傷も、
時とともに穏やかないぶし銀の輝きに変わった、
それぞれの人生を切り拓いて今まで生き抜いてきたあいだに、
表向きは柔和な好々爺やカワイイお婆ちゃんになったけど、
中身は今もギラギラのサヴァイヴァーなのだから。
それからね、
大人のピアノ愛好家は、そもそも、
自分で演奏するとは限らないでしょ?
自宅内のガラス張りの室内ガレージに、
ピッカピカに磨いた高級外車を並べて、
ガラス越しのラウンジでお酒を飲みながら愛車を眺めて愛(め)でるクルマ好きがいるように、
著名なピアノブランドの限定生産モデルのグランドピアノや、
自分でこだわり抜いて特注製作した高価なピアノを、
自宅にこしらえた瀟洒なピアノラウンジに置いて、
自分が弾くというよりも、
ピアノを眺めながらお酒を飲むのが至福のひと時っていうピアノ愛好家もいるだろうし (←ピアノ弾かない時の私がそうだもんね、部屋に置いてあるピアノを肴(さかな)にお酒飲めるもん。もっとも、特注のピアノも瀟洒なラウンジも持ってないけどさ!)、
自分が弾くよりも、
自宅の瀟洒なピアノルームに、贔屓(ひいき)にしているプロの演奏家を呼んで、
特注で作らせた自慢の家具調高級ピアノをプロの演奏家に弾かせて、
自分は聴いて楽しむ、
なんていうピアノ愛好家もいるかもしれない (←プライベートのライブハウス作ってそうするのが私の夢。既に設計だけは完璧にできてるんだよ脳内で。あと必要なのはお金だけっ(笑)!!!)。
それに、
大人のピアノ好きがグランドピアノを
1台しかもっていないとは限らないでしょ?
著名なブランドのピアノを買い集めるのが趣味っていう人もいるかもしれない。
それから、
ピアノの音が好きで好きでたまらなくて、
高価なピアノを買って8畳間に押し込めるなんてことが耐えられずに、
音響専門会社に頼んで、
完璧な音響と防音を備えた、広い自宅スタジオやサロンを作っちゃって、
そこで、子どもの頃から慣れ親しんだ国産ブランドの最高級グランドピアノを新たに購入して、ピアノの屋根をいつも全開にして、広々とした大空間に反響するグランドピアノ本来の響きを満喫している人もいるかもしれないし。 (←これが目下私の目標だっ!ピアノだけじゃないよ、最高級のオルガンもシンセも入れちゃうからねって脳内にはすでに広いスタジオ持っててその中で弾きまくってるんだ(笑)!)、
それに、
懐古な響きに魅せられてアンティークピアノを収集しちゃう人もいるかもしれないし、
そもそも、
大人のピアノ趣味は、ソロピアノのピン芸とは限らない。 自宅に作った防音スタジオにアップライトピアノのほか、ドラムセットや、高価なギターアンプを入れて、週末に学生時代の仲間とセッションざんまいするのも、大人ピアノの醍醐味だ(って既にそうしているひと沢山いるでしょ?)。
もちろん、
別荘を建てたけど、冬場の不在時の低温や、海辺の別荘の場合は湿気や塩害なんかもあるかもしれないから、とりあえず中古のグランド買って別荘に置いて、ああそうか、そんなメンドクサイことしなくても、とりあえず新品買って置いてみて、傷んだらまた新品に買い替えればいいんだねーって言いながら、音楽の愉悦あふれる別荘ライフを満喫!
なんていう人もいるかもしれないし、
世界3大ブランドを買えるお金は持っているんだけど、
この歳で人生の記念に音大に行こうかな~、なんて思い立って、資金の一部を音大受験のための高名な先生の高額なレッスン費用と音大に入った時の学費にとっておいて、とりあえず国産の新品グランドを買おうかな?
て思う人もいるかもしれないしね。
↑ 音大受験は、あまり年齢がいっちゃうと厳しいかもしれないけど、大人でも、音大の学費が払えるなら、然るべき先生について受験の準備をすれば、どこかの音大には入れる、みたいな話を、数年前に音楽教育関係者の人から聞いたことがあるよ。 池田理代子先生がどこかの音大の声楽科に入学して以来、音大は社会人(大人)の生徒を受け入れるようになったらしい。 もちろん、池田理代子先生みたいな、若くして社会で大成功した著名人はともかくとして、一般ピープルの無名の大人が音大へ入ることは、1,000万円の学費を払って思い出作りするようなもんだろうけど(もっとも、ガチで現役で入って「結果的に思い出作りにしかなりませんでした」よりはマシかな。若い時は思い出作りしている暇はないからね、若い時に思い出作りしてたら歳をとってから思い出作りする暇は多分ない。って書く私って、考えの目線が庶民過ぎ!10,000人に一人の超逸材を除いて、ほとんどの人は、人生ずーっと思い出作りし続けられるような身分でなけりゃ芸術で夢を追い続けるような博打は打てないよ)。
というように、
大人のピアノの趣味道楽の規模や方向性は、
その人その人によって千差万別なんだよね。
ここが、大人のピアノと、お子様向けピアノ教育の、絶対的な違いだ。
「大人のバイエル」を作ってあとはお子様と同じお稽古ごとフォーマットでやれば大人ピアノ愛好者は大人しくピアノ教室に来てくれて神妙にレッスンを受けて月謝を払ってくれる、
なんて考えは、安直すぎるというよりも、
チッコイ、チッコイ! 考えの目線が庶民過ぎるよ!
それにね、だいいち、
「自宅にスタインウェイのグランドを所有しています」
みたいな、
ピアノ本体しか考慮に入れないベースでは、
その人が、
表参道のピッカピカのスタインウェイのショールームで下にも置かない応対を受けながら即金でポーンと買った新品を、音響専門業者に作らせたレコーディングスタジオのような完全防音の広々した自宅のピアノルームにぽつんと置いているのか、
それとも、
中古ピアノ業者から破格の安値でしかもローンを組んで買った中古を、床と窓だけ自分でDIYして防音した6畳一間にぎゅうぎゅうに押し込んでいるのか、で、
金額が天と地ほど違ってくるでしょ?
というわけで、大人のピアノならではのピアノの「大人買い」のランキングを、ピアノのブランドや種類...
ではなくって、
「大人のピアノ」という趣味道楽にかける
お金の金額に基づいてランキング
することにしました。
それでは、
大人ピアノの「大人買い」番付のトップ「横綱」から紹介するよっ!
大人ピアノの「大人買い」の
番付①位「横綱」は:
「大人ピアノ」の趣味道楽にかける金額が、
1億円以上の人たちだっ!
1億円の根拠は、YOSHIKIさんモデルのカワイのクリスタルグランドピアノの販売価格が1億円だったことによる。
つまり、限定生産の超特別モデルの1億円のピアノを買う人。
ないしは、
世界の著名ピアノメーカーのフルコンサートグランドを3台以上買って持ってる人。
そんな人がいるものかっ!って、世界には実際にいるんだから、スゴイよね~。ベーゼンドルファー、スタインウェイ、ファツィオリのフルコンを各1台ずつ計3台、大きな部屋に無造作に置いている世界のどこかの人の動画を視たよ。 日本にも、そういう人たちが、きっといるに違いないよ。
とはいっても、ピアノ道楽で1億円以上使うのって、それなりに大変かも?
というわけで、番付②位に移るとするね。
大人ピアノの「大人買い」の
番付②位「大関」は:
「大人ピアノ」の趣味道楽にかける金額が、
5,000万円~9,999万円の人たちだっ!
金額の根拠は、スタインウェイのレニー・クラヴィッツ限定生産モデルのグランドピアノの販売価格が約5,000万円だったことによる。
もっとも、ピアノが5,000万円しなくても、「入れ物」にこだわったり、ピアノを何台も買えば、5,000万円なんて軽々と超えていくのは明白だ。
つまり、鏡面仕上げの普通の黒いピアノじゃなくて、マホガニーなどの高級木材を使用した家具調グランドピアノや、特注のグランドピアノや、著名ミュージシャンとコラボした限定モデルを買うことができるばかりか、実際にその特別なピアノを置いて飾るにふさわしい「入れ物」を用意できる人たちだ。 ね、これで、5,000万円を軽く超えてくでしょ?
加えて、特に高級なピアノを買わなくても、「入れ物」や「人生の思い出づくりに音大へ」や「一流ピアニストにピアノを教えてもらう代わりに(高額な)謝礼を支払うという体(てい)でピアニストに資金援助するパトロン(旦那)活動」といった、
ピアノの周辺分野にお金をかけ始めるとけっこうな金額になっていくから、「②大関(5,000万円~9,999万円)」レベルの人たちは、けっこうたくさんいるんじゃないかな?
お金のかけ方によっては「①横綱(1億円以上)」になることもあるかもしれないけど、考えられるいろんな「②大関(5,000万円~9,999万円)」クラスの大人ピアノ趣味道楽のパターンを、ここで一気に列挙しちゃうね:
たとえば、
高級グランドでも高級アップライトでも普通のアップライトでも電子ピアノでもなんでも、ピアノの種類や金額に関わらず、
高級リゾート地に別荘を買ってそこにピアノを置いて音楽を楽しむ(←リゾート物件によっては不動産だけで1億円超えになるかも)、
とか、
母屋とは別棟の音響工学に基づいた完全防音スタジオを新築して、その中にグランド/アップライトピアノばかりか、シンセや電子ピアノを櫓(やぐら)のように組んで、自分のマックのDTMで作ったYMOのカラオケに乗って坂本龍一になりきってYMOざんまい!または、ビンテージのシンセばかり買い集めたシンセの神殿の中で冨田勲になりきってドビュッシーのシンセ編曲ざんまい!や、電子オルガンの最高機種+シンセの名器を買い集めて自分で作ったカシオペアのカラオケをバックに向谷実になりきってカシオペアざんまい!(←5,000万円までつぎ込まなくても、こういう熟年のオジサンたちが市井(しせい)にたくさんいるに違いないよ!)
ほかには、
著名ブランドのピアノばかり買い集めて大きな専用のピアノ部屋に置いて、かわるがわる演奏ざんまい! ←上述の「①横綱」のところで紹介したけど、フルコンじゃなければ普通モデルを3台買って5,000万円~9,999万円のレンジに収まるだろうからね。
ほかのパターンとしては、
人生の思い出づくりに大人の音大受験⇒高名(=高額)な先生について受験対策⇒晴れて合格して、音大の学費+どうせなら新品のフルコン1台と24時間いつでも弾ける完全防音の「入れ物」の新築で、5,000万円いくかな?...いったな。 先生への月謝や盆暮れの贈答品や更に高名な先生への紹介の御礼やなにやらかにやらがかさむだろうし、晴れて合格してからのキャンパスライフも何かと物要りだろうし、大人の場合は体力が落ちてきた中での学生生活で限られた時間をお金で解決することが多くなるからね。
ほかにも、
「今のピアノはねぇ、どの著名なメーカーも、スタインウェイの音に似せてしまって、個性が無くなりましたね。 とても残念なことですよ。 というわけで、私は、100年前のアンティークピアノばかりを買い集めているんですよ、あ、もちろん、一応、現代のピアノとしてヤマハのフルコンも持ってますけどね。」(←これも、コレクションの数によっては1億円超えるかも...。)
な人とか、
「グランドピアノはねぇ、どんなに高級で大きな新品を買ってもね、狭い練習部屋なんかに押し込めてピアノの屋根を閉めっぱなしで弾いたらグランド本来の音を味わうことなんて到底できませんよ。えぇ?そんなに狭い部屋に置いていて「屋根を開けて弾くこともあります」って、グランドピアノ本来の響きなんてわからないでしょう?それに、だいいち難聴になりませんか?いやはやグランドピアノが可愛そうですなぁ、それからお耳を大切に。ちなみに、私ごとですがね、近所にちょうど良い物件が出たのですぐに押えて、これからグランドピアノ本来の音を堪能できるピアノサロンを建てるんです。 地鎮祭も先日無事に終えましてね。 音響業者との打ち合わせは大変ですけれど、建てるからにはね、こだわれるだけこだわって最高の音響にしたいじゃありませんか。 まぁ、産みの苦しみというか、こういうプロセスがいちばん楽しいんでしょうけどね。ハッハッハ。(←やっぱり不動産がらみだと1億円以上になるかも...。)
な人とかね、
「ヴィンテージのアップライトピアノの趣を知らないなんて、もったいないなぁ。 最近、ナンクロウのフーガ集の紙ロール付きの古い自動演奏ピアノをオークションで落札しましてね、それを、専用のピアノラウンジに置いて聴くのがね、無上の楽しみでして。 スタインウェイが売り出している自動演奏機能付きのピアノ? ハハハ、そんな今風のものじゃありませんよ。 昔の自動演奏ピアノはね、オルゴールと同じような方法で自動演奏しましてね、たいへんに趣があるものですよ。 アップライトピアノの音の良さが最大限に生きるようにね、ピアノを設置する壁の上部を吹き抜けにしたりと、音響専門業者さんと相談しながら専用のピアノラウンジを作ったんですよ。 いやぁ、けっこう(お金が)かかりましたがね、自動演奏を聴きながら飲むお酒は、いやはやもう格別ですよ。 え?グランドピアノを持っていらっしゃる?それを6畳間に? しかも、そんな狭い部屋で屋根を開けて弾いておられる? そんなことをして耳がおかしくなりませんか? 「毛布を持ち込んで音を吸わせているから大丈夫」って、それじゃぁまるでどこぞやの旅館の布団部屋で弾いているようなものじゃありませんか、まあそれはそれで風情があることですねぇ、ハッハッハ!」な人とかね、 (←追記:ちょっと検索してみたら昔の自動演奏ピアノってあまり高額じゃないみたいだね。ナンクロウの作品集の紙ロール付きだったらどうかなぁ?ま、いいや、だったらスタインウェイの今の自動演奏機能付きピアノも1台買っちゃえばそれだけで2,000万円いくからね。新旧の自動演奏ピアノをコレクションしてる人にしちゃえばいいんだ!加えて「入れ物」に凝り出したら、いくらでもお金を使えるもんね。)
そのほかには、
「みなさん、何でもかんでも現代のピアノでお弾きになるでしょう? 私はね、それぞれの曲を、その作曲家が弾いた時代のピアノで弾きたくて、各時代のピアノを買い集めていたら、何台にもなってしまって、ピアノを置く部屋をもうひと部屋作らなければならなくなってしまってねぇ(苦笑)。 この現代のピアノでは、主に20世紀後半の音楽をね。 こちらのヴィンテージのアップライトではね、ラグタイムやストライドを弾くと当時のマンハッタンの若いピアニストが弾いているような、何ともいえない趣がありますよ。 これは20世紀初頭のベヒシュタインのグランドで、印象派やリストあたりですね。 それから新しく作ったこちらの部屋に、もっと古いタイプのピアノをね、ベートーベンはやはりこのピアノがいい。 あれはハープシコードでしてね、バッハやバロックは、あれで弾くのが本当でしょう。 グランド1台だけをお持ちで? それじゃぁ、調律がたいへんでしょうなぁ、曲によっては平均律より古い時代の調律で弾きたいこともあるでしょう? いやぁ、ご苦労なことですな、バッハッハ!」みたいなピアノの歴史オタクみたいな人もいるかもしれない。 (←これもね、コレクション数と「入れ物」あわせて1億円超えてくかも...。もう遠い目になっちゃうよ...。)
このように、
大人のピアノの趣味道楽は、
人によって様々な方向に振り切れていくから、
金額で区切っていくしかランキングの手立てがないでしょ?
てなもんで、3位以下は、上記の様々なパターンが金額的にスケールダウンしたものになるので、
駆け足でいくよ:
③関脇:3,000万円~4,999万円
新品フルコン1台+「入れ物」ないしは
新品ピアノ2台以上+「入れ物」ないしは
大人の思い出づくりの音大受験+大人の思い出づくりの音大卒業+高級新品ピアノ、などのパターン
④小結:2,000万円~2,999万円
高級家具調ピアノ1台+「入れ物」
普及モデル(鏡面ブラック仕上げ)の大型グランドピアノ2台以上+「入れ物」ないしは
大人の思い出づくりの音大受験+大人の思い出づくりの音大卒業+ピアノ、などのパターン
⑤前頭:1,000万円~1,999万円
普及モデルのグランドピアノ1台+「入れ物」
普及モデルや中古のピアノ2台以上+「入れ物」、などのパターン。
大人の思い出づくりの音大...には予算が厳しいかな。私立音大学費1,000万円+ピアノ購費用+音大受験対策費用+その他関連諸費用 が必要だもんね。
ここまでが、幕内で、
ここから下は、幕内より下の番付だ:
⑥十両:500万円~999万円
上記⑤までのパターンをこの予算内でね。
大人の思い出づくりの音大...は諦めよう! むしろ、「卒業証書がペラっと1枚の思い出づくりのために1,000万円なんていう大金の無駄遣いをしなくて済んでよかったよかった!この先何があるかわからないから、このまま貯金しとこっ!」にして、後になって命拾いするかもしれないよ。
ここまでが、「関取」と呼ばれる「お相撲さん」だ。
⑦幕下:200万円~499万円
上記⑥までのパターンをこの予算内でね。
⑧三段目:100万円~199万円
上記⑦までのパターンをこの予算内でね。
⑨序二段:50万円~99万円
上記⑧までのパターンをこの予算内でね。
⑩序の口:~49万円まで
上記⑨までのパターンをこの予算内でね。
あれれ? 不思議と、ウィキに乗っている相撲の番付にピッタリ収まったよ!
いやぁ、すごい番付になったね。
ランキングを突き抜けすぎた、
「勧進元(かんじんもと)」(=一国の音楽産業と文化を掌握支配する存在)と、
「行司(ぎょうじ)」(=ピアノ会社ごと所有支配する存在)
から始めて、
「①の横綱」から「⑩の序の口」まで、壮観な番付になりました。
もっとも、これは、
ピアノの趣味道楽に投じた金額ベースの番付だ。
では、
ピアノの趣味道楽に投じた思い入れベースでは、どうだろう?
たとえば、前述の、
ベーゼンドルファーとスタインウェイとファツィオリのフルコンを各1台、合計3台を、部屋に置いて楽しんでいる人と、
通販でポチった数千円の電子キーボードを、自分の小さな部屋で、空いた時間じゅうずーっと弾いていて、まるでギターのように、寝るときもベッドに持ち込んでお腹の上に抱えて弾いている、そんなことを夢中で続けているうちに、少しずつ音楽のボキャブラリーが増えていって、だんだん音楽が楽しくなって、近頃は音楽文法にのっとった即興演奏まで出来るようになってきて、楽しくて仕方がない! そういう人と、
どちらの人が、音楽的に、幸せなんだろうか?
そう、二人とも同じくらい、幸せだ。
幸せは、お金で買える。
と同時に、
幸せは、夢中で続けているうちにどんどん楽しくなっていくと、感じるものだ。
だから、今回を含めて3回続けて書いてきた、
このピアノの「大人買い」番付は、じつは、
ぶっちゃけ意味が無いんだ。
人それぞれの幸せの大きさに、決まった尺度はないから、
私の幸せと、あなたの幸せを、比較して優劣づけることは、不可能だし、そもそも無意味なことだ。
人それぞれに、その人一度きりの人生。
人は、自分の人生を、たいていは、いろいろな苦しみを背負いながら、生きている。
特権的な家柄に生まれた人も、
裕福な家に生まれた人も、
中流の家に生まれた人も、
裕福でない家に生まれた人も、
それぞれの家に、それぞれの人に、
それぞれの人に特有の、苦が有り、楽が有り、不自由が有り、自由が有り、ハンデが有り、アドバンテージが有る。
傍(はた)から見ると、何不自由なく暮らしているように見える人にも、
他の人たちが欲しいままにするいろいろな自由気ままさを持つことを、あきらめて生きている人たちもいるだろう。
そんな不自由を受け入れ続けている人生こその、特権的な階級身分や、物質的に恵まれた暮らしなのかもしれない。
誰もが、それぞれに、ままならない人生を生きている。
そんな人生のなかで、それぞれに、幸せを感じる瞬間が、それぞれに有って、それを比較することは不可能だ。
もうひとつ。
人の人生は、いつ、なんどき、ひっくり返るかもしれない可能性がある。
昨日まで裕福だった人が、明日からは路頭に迷うかもしれない。
親の代まで裕福だったけれど、自分の代で没落するかもしれない。
自分の代までは高級住宅地に住めたけど、子どもの代で都落ちするかもしれない。
今日までは健康だったけど、明日からは病気になってしまうかもしれない。
今日までは趣味のピアノを謳歌できたけど、明日からは...。
そう思って、頭上を見上げると、
空から垂直に、自分の頭に向かって、剣がぶら下がっているのが見える。
「ダモクレスの剣」だ。
今日までは、新たに建てたプライベートスタジオで、プライベートピアノサロンで、別荘で、ピアノを楽しんでいたけれど、自分の部屋でキーボードを思いのままに楽しんでいたけれど、今日までは、親や親戚縁者に無心してかき集めたお金で世界3大ピアノを8畳一間にねじ込んで親という名のパトロンに囲われて日本のピアノアカデミアの象牙の塔の中で「先生様」の地位に安住していたけれど、
明日、「ダモクレスの剣」が自分の頭めがけて落ちてくるかもしれない。
今日まで上手く行っていた人生が、成功が、富が、名誉が、健康が、楽しい人生が、
明日は、すべてオジャンになってしまうかもしれない。
だから、今、自分は、生きていて、健康で、
ピアノなり音楽なり、
自分が心から好きでやりたいことを、
日々の生活の、ちょっとした余暇に、お小遣いの範囲内で、
心から楽しめて三昧(ざんまい)できることが、
人生の中の至福の瞬間だ。
世界3大ピアノのフルコンを3台もっている人が、もし明日破産して路頭に迷ったとしても、その人は、「昨日までの自分は幸せだったなぁ」と思うだろうし、
数千円のキーボードを部屋で弾きながら、つつましくも日々の生活には困らずに健康で平均寿命を裕に超えて長生きした人も、今わの際に、「自分の人生は幸せだったなぁ」と感じるだろう。
生きている間に、幸せを感じられること。
それに尽きる。 そして、
人生の楽しみの主人公は、いつも自分だ。
自分が楽しめない趣味は、悪趣味だ。
だから、
自分が弾きたい曲を弾く。
趣味道楽に喜んで捨てられる金額の範囲内で、自分が買いたいケンバン楽器を買って弾く。 それが、スタインウェイの限定モデルでも、中古のグランドでも、ヴィンテージのアップライトでも、憧れのキーボーディストが使っているステージピアノ+PAのセットでも、どこにでもベッドにも持ち運んで寝落ちするまで弾ける通販でポチった数千円のキーボードでも、
どんなケンバン楽器でも、ケンバンに変わりは無い。
先生に習いたいと思えば、自分が良いと思った先生に習う。
先生を替えたければそうする。
もう習う必要が無いと思ったら、自分で楽しく続けていく。
発表会で間違っても、いい。 自分が間違っても誰も死なない。
せっかく覚えた曲を忘れてしまっても、いい。 忘れたら、また覚え直せばいい。
「あの人下手だなぁ」って他人や先生に思われても、気にする必要すら無い。 だって、そう思ったり言ったりする人に限って明日死ぬかもしれないから。
大切なのは、今、そして明日も、自分が、生きているかどうか。それだけだ。
生きていれば、何でもできる。 ほんのちょびっとずつでも、上手くなる可能性がある。
そしてもはや、自分で弾く必要すら無い。 自分が好きなプロ演奏家のライブやコンサートに通ったり、場合によっては贔屓(ひいき)のプロを自分の家に呼んで、ご祝儀をはずんで、こだわりの特注グランドピアノを弾いてもらう。なんて贅沢な楽しみなんだ!
自分が作曲した曲をDTMでオーケストレーションして、自宅スタジオの機材で演奏させて楽しむ。至高のひと時だ!
人生は、いつか必ず終わる。
今、この瞬間に、自分が好きなことを、自分が好きなように楽しんでいる自分は、この上ない幸せ者だ!
大人のピアノの主人公は、自分自身だ。
ピアノの「大人買い」とは、
限り有る人生の中で、自分が心から楽しめる貴重なひと時を、
自分の至福の瞬間を、誰のためでもない、自分のために「大人買い」することだ。
他人がいくらお金をつぎ込んだかなんて、どーでもいいことだ。
自分が幸せを感じる「大人買い」が、
自分にとって最高の「大人買い」だ。
tokyotoad
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このブログ「おんがくの彼岸(ひがん)」は、私 tokyotoad が、中学卒業時に家の経済的な事情で諦めた(←諦めて命拾いした!と、今じぶんの人生をしみじみ振り返って背筋がゾッとしている)「自分の思いのままに自由自在に音楽を表現する」という夢の追求を、35年ぶりに再開して、独学で試行錯誤をつづけて、なんとかそのスタート地点に立つまでの過程で考えたことや感じたことを記録したものです。
「おんがくの彼岸(ひがん)」というタイトルは、「人間が叡智を結集して追求したその果てに有る、どのジャンルにも属さないと同時に、あらゆるジャンルでもある、最も進化した究極の音楽が鳴っている場所」、という意味でつけました。 そして、最も進化した究極の音楽が鳴っているその場所には、無音静寂の中に自然界の音(ホワイトノイズ)だけが鳴っているのではないか?と感じます(ジョン・ケイジはそれを表現しようとしたのではなかろうか?)。 西洋クラシック音楽を含めた民族音楽から20世紀の音楽やノイズなどの実験音楽まで、地上のあらゆるジャンルの音楽を一度にすべて鳴らしたら、すべての音の波長が互いにオフセットされるのではないか? 人間が鳴らした音がすべてキャンセルされて無音静寂になったところに、波の音や風の音や虫や鳥や動物の鳴き声が混ざり合いキャンセルされた、花鳥風月のホワイトノイズだけが響いている。 そのとき、前頭葉の理論や方法論で塗り固められた音楽から解き放たれた人間は、自分の身の中のひとつひとつの細胞の原子の振動が起こす生命の波長に、静かに耳を傾けて、自分の存在の原点であり、自分にとって最も大切な音楽である、命の響きを、全身全霊で感じる。 そして、その衝動を感じるままに声をあげ、手を叩き、地面を踏み鳴らし、全身を楽器にして踊る。 そばに落ちていた木の棒を拾い上げて傍らの岩を叩き、ここに、新たな音楽の彼岸(無音静寂)への人間の旅が始まる。
tokyotoadのtoadはガマガエル(ヒキガエル)のことです。昔から東京の都心や郊外に住んでいる、動作がのろくてぎこちない、不器用で地味な動物ですが、ひとたび大きく成長すると、冷やかしにかみついたネコが目を回すほどの、変な毒というかガマの油を皮膚に持っているみたいです。
★ピアノの先生/ブロガー/ユーチューバー/出版社/放送局などの方へ: このブログに記載されている内容を、レッスンや出版などの営利目的/非営利目的(レッスン等で使用・販売する教材、レッスンで教える内容、宣伝等のためのブログ記事での使用等を含む、営利目的につながる可能性のある使用)や非営利目的その他の目的のために、このブログの作者(原作者)であるtokyotoadへの事前の承諾なく無断で使用(複製・コピー・利用・転用・流用・編集・加工・出版・頒布・送信・アップロード・放送・発表等)することは、原作者の権利や人格を保護する著作権法に対する違反行為です。くれぐれもご注意ください。
↑ 不本意にもこんな野暮なことを書かなければならないのは、過去にちまたのピアノの先生方に、この記事の内容をパクったブログ記事を挙げられたことが何度かあったからです。 トホホ...。ピアノの先生さんたちよ、ちったぁ「品格」ってぇもんをお持ちなさいよ...。