ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

シニアのピアノと指の健康寿命:「へバーデン結節」(その①)

 

前回の記事:

ピアノを買う前に(私が個人的に)押さえておきたかったポイント(その③のオマケ) - ピアノ方丈記

の続きというか、

 

私がへバーデン結節になったと分かったのは、

片手で9度に届くか届かないのにもかかわらず、

10度以上の左手アルペジオかましまくったり、

還暦近い弱々しい指を押して、

エレキベースのチョッパー弾きの音を真似て左手ベースラインを弾きまくったり、

フュージョンのキメを真似てツチャッチャッ!と弾きまくったり、

あらゆる小節をパーカッシブにノリノリで喰い弾きしまくったり、

と、ここまで書いて思ったのは、これらは【ケンバンの弾き方+弾く時間の長さ】によっては、指の関節が変形するほどの愚行になることはありません。 

私が大バカ者\(^o^)/だったポイントは:

調子に乗ってピアノを、

連日・長時間・小指が突き指になるような弾き方で弾いた。とくに、

「突き指になるような弾き方」が大バカ者\(^o^)/だったのです。  

どうして、そんな突き指弾きをしていたかというと、へバーデン結節に関する前々回ぐらいの記事に書いたとおり、

片手を広げたリーチが足りなくて届かないのにもかかわらず、届こうと無理して弾こうとする場合は、手のひらをケンバン上で高速で水平横移動する必要が生じ、そのために、特に小指は目標のケンバンに横斜め上から突っ込んでいくような弾き方になってしまうからです。

調子に乗ってそんな突き指弾きを来る日も来る日も1時間~3時間超続けていたら、

ほんの数か月の間に、左手の小指の一番爪に近い関節が膨らんできて、ピアノを弾くと痛くなったので、近所の整形外科に行って、へバーデン結節と診断されたのでした。 それまで、私はへバーデン結節という単語を知りませんでした。 そして、その経緯によって、私は、次のことを知ったのでした、それは: 

 

近所の開業医だと、中高年の指関節の肥大は「リウマチ」と診断されがちである 

私の場合は、院長先生は最初「リウマチかな?」だったのだが、リハビリ担当のお医者さんによって「へバーデン結節」と言われました。 医院では、両手の指の骨を見比べるため、両手のレントゲンを撮られました。 

 

お医者さんが積極的にできることは、鎮痛剤を処方することと、リハビリルームでの'電気ビリビリ療法'ぐらいしかないらしい: 

そもそも、整形外科医療ができることは、それくらいしかないのが、この世の摂理といえば摂理だなぁ、と私は思いました。 だって、子供の頃に骨折したときに、整形外科のお医者さんがしてくれたことは、ギブスを巻いて動かないように固定して1か月くらいそのままにすることしかなかったもんね。 つまり、骨折や骨の変形に関しては、「固定して、くっつくまで動かさない」や「そのままそっとして、痛くないようにダマしダマし穏便に暮らす」を超えるような魔法の治療法は、無いんだ!ということを私は再認識したのでした。 だから、

鎮痛剤の処方にしても、気休めというか、調剤薬局さんへのお布施金みたいなものだろうし、整形外科に併設されたリハビリルームでの'電気ビリビリ’の療法も、医院へのお布施というか、まあ、両方とも「おまじない」みたいなものなんだろうなぁ、と私は思いました。 そして、

私は処方された鎮痛剤を1粒も飲みませんでした。 鎮痛剤は、痛みを和らげる薬であって、へバーデン結節そのものを治す薬ではないからです。 それに、鎮痛剤で痛みを感じないようにして突き指弾きで弾き続けても、おおもとの問題の解決には全然ならないでしょ。 テーピングして弾いても無駄です、というかバカ\(^o^)/の愚行を続けるだけです。 へバーデン結節にならないようにおおもとのケンバンの押さえ方を抜本的に改善しなければ、鎮痛剤を飲み続けてもテーピングして弾いても、全く解決にならないのだ!←というくらいのことは、バカ\(^o^)/の私でも察しがつきました。 

整形外科医に併設されたリハビリルームに通うと1回につき¥350円くらいかかるみたいでした。 これは、「近所の神社にお参りにいったときに賽銭箱に入れるお賽銭のようなものだなぁ」と私は思いました。 私はリハビリルームで、’電気ビリビリ療法’を受けましたが、これを1日1回数分受けるだけでへバーデン結節がみるみる治るとは、私にはあんまり思えませんでした。 リハビリ担当のお医者さんも、「今日試しに一度[この電気ビリビリを]やってみて、調子が良く感じるようだったら、また来てください」と、「来ても来なくてもどっちでもいいですよ」的な、なまあたたかい対応だったので、「電気ビリビリは、たぶん気休め程度なんだろうな」と私は受け取りました。 

とはいえ、リハビリルームを体験したことは、今後の人生の参考になりました。 リハビリルームには、「ヒマそうな」といっては失礼だが、おじいさんおばあさんたちが三々五々訪れて、療法士さんの指示にしたがって運動したり、電気ビリビリ療法の機械を自分の悪い箇所に自分で当てがっていたり(←私が経験したやつ)、療法士さんに腰を揉んでもらいながら療法士さんとたわいもない世間話をしたり、と、そこは、近隣の高齢者たちの憩いの場所のようでした。 私は、「街の整形外科医のリハビリルームは、おじいちゃんおばあちゃんのサロンみたいになっているんだなぁ」と思いました。 そして、おじいちゃんおばあちゃんが、整形外科のリハビリルームに通って毎回¥350円かそこらを支払うと、国庫や地方自治体や企業健保に埋蔵・固定されていた健保金が、その分だけちょっとずつ放出されて整形外科の収入になり、さらに流動化して、若い療法士さんの給料になり、ひいては社会の経済に還流していくことは、悪いことではないかもしれないなぁ。 だいたい、これらのおじいちゃんおばあちゃんたちは、20世紀の激動の昭和を大変な思いで生きてきた人たちだもんなぁ。 彼らは、超満員電車にすし詰めになって揺られて会社に行ってモーレツ社員として働きながら、住宅ローンを背負い、新車のクルマを4年に一度買い替え続け、夏休みの家族レジャーで毎年散財し...、と、20世紀後半の日本の経済発展に貢献し続け、あるいは家庭で主婦として国の宝である子どもたちを生み育てながら、文句ひとつ言わずに健康保険料を払ってきたんだもの。 そんなお年寄りたちが、人生の終盤にさしかかって、健保を使って整形外科のリハビリルームに通ってノンビリ過ごして何が悪いんだろう?と私は思ったのでした。 そういう私も、50代の後半になるまでは、健保を払うばっかりで、病院に行くことなんてほとんどありませんでした。 少々の熱や不調では会社を休まず、道行くお年寄りたちを恨めしげに眺めながら「私は熱が38度あるのに今日も会社に行って働いたのに、コイツらは日がな一日ブラブラしていて、大した病気でもないのに病院に行って世間話でくっちゃべってばかりの、老害野郎め!」と心の中で悪態をついていましたが、ジジババ世代の方々の怒涛の人生に思いを馳せる心のゆとりが自分にも出てくると、日本の健康保険制度や年金制度はよくできたものだなぁ、と思う自分が今ここにいるのを発見したのでした。 だから、今の若い人たちも、「なんだよ、バブル世代はギリで確定給付型年金をもらえて、自分たちは確定拠出型年金じゃないか!ズルイ!」とか「自分たちばかりが健康保険料を負担していて、老害のバブルジジイ&ババア早く死ね!」と思っているかもしれませんが、私たちバブル世代だって、「24時間働けますか?」の怒涛のバブル時代に否応なく世代ごと飲み込まれていき、「ブラックマンデー(フライデーじゃないよ)」からのバブル崩壊で資産価格が10分の1になってしまったり、朝のラッシュ時間帯の地下鉄に毒ガスが撒かれて通勤途中のたくさんの人が亡くなったり、勤めていた会社がタガメのような海外投資ファンドに生き血を吸われてスカスカの残骸になってしまったり、'失われた'平成時代やリーマンショックや超円高など、それなりにいろいろあったので、それなりの社会保障を老後に受け取るはずです。 でなきゃ日本は、日本に人生を投じた当の日本人から信用されなくなってしまう。それでは、国家の終わりです。 だから、日本の偉くて優秀なひとたちは、そのようなことにならないように、私たちが人生を賭けて日本に払った租税公課が無駄にならないように知恵を絞ってくれているはずです。 たぶん、若い世代の人たちも、その世代が経験したカンナン辛苦に見合った社会保証を、国から受け取ることになるでしょう。 そのためには、日本人として日本で生活し日本の土に骨を埋めていく覚悟であれば、国に対してブーブー文句だけ言うんじゃなくて、自分たちの国なんだから、自分たちが今できる務めをしっかりやって、そのうえで、自分たちの考えをしっかり持ち、意見することはしっかり意見して、自分たちが骨を埋める国の経済を支え盛り立てて、自分たちの老後を確かなものにしていくことが必要なのではないかと、還暦を迎えつつある私は思ったのでした。 それに、今の若い世代の人たちが年金受給者になる頃には、現役時代に社会でいっしょうけんめいお務めした甲斐あって日本の経済が大復活していて、日本版401Kがものすごい運用益になっていて、「バブル世代みたいな確定給付型年金じゃなくて、自分たちは確定拠出型年金でよかった~!」って言っているかもしれません。 

 

話をもどして、 

そして、私はさらに、次のことを痛感したのでした、それは:

 

バカ\(^o^)/につける薬は無い!

そのリハビリ担当医さんによると、

「ピアノを弾いて指が痛かったら、ピアノを弾かないように」という内容でした。

以上終了!です。 つまり、

「痛くなければ弾いても構わないけど、痛かったら弾くな!

しかないようです。 だから、

痛いのにそれを押して弾く奴はバカ\(^o^)/!

ということです。 つまり、

「痛かったら弾かない」という分別の有る人にも、つける薬は無いのだから、

痛いのに弾くバカ\(^o^)/につける薬は、当然無い!でしょうよ! 

 

私が試行錯誤し始めた、

年寄りの冷や水ピアノ(笑)」でへバーデン結節にならないようにするための工夫は、

クラシックピアノ/それ以外 のジャンルで区別するよりも、

 「既成の楽譜どおりに弾く人」

 「自分の裁量によって作曲・編曲・即興(アドリブ)演奏をする人」 

という区分けで語るほうがいいかな、と思いますが、長くなったので続きは後日書こう。 パソコンのキーボードの入力では、よほどのバカぢからで長期間叩き続けないかぎりは、へバーデン結節になることなんてありませんが、寄る年波に指がだるくなるので、このへんでやめとこう。 老いつつある身は、何事も、やり過ぎないことだ、と悟りました。 

さいごに、自分への戒めとして、歴史的事実の認識: 

片手で12度が届いたリストは35歳をもって現役ピアニストを引退した(その後のリストは、74歳で亡くなるまで、音楽監督・作曲家・ピアノ教育者であって、ピアニストではない!)。 

ところで、

私は片手で何度まで届くかな? そして

私はいま、何歳だっけ\(^o^)/?

※ちなみに、ショパンは39歳以降はお墓の中でした。

tokyotoad1.hatenablog.com

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

tokyotoad