ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

スポーツ選手にこそ、ピアノを弾いてほしい

ドタドタ弾きにならないためには、打鍵のインパクトとリリースをソフトに加減する必要があって、そうするためには、ヒト本来のパワートレインを駆動して自然な回転運動を起こして調整するんだと悟りました(ほとんどのピアノの先生はこの知識があるんだろうか?100歩ゆずって仮に知っていても生徒が納得する説明ができるほど頭が整理されているんだろうか?ピアノの上達のための基本だと思うんだけど、月謝の代金には含まれていないようだ)。

 

また、トライアド以上のコードを弾くのは、一本の指にかかる力がさらに分散するから、もっと力が要るし、打鍵のインパクトで跳ね返ってくる力で上半身が動いてしまう場合は、体幹が弱すぎると思います。

 

ピアノは座って弾くものだけど、額面どおりに座って弾いてはいけない。座っていない気持ちで、体幹をしっかり保って弾かなければ、打鍵の反動で体が泳いでしまって、せっかくの力のタメが垂れ流しになってしまうから、腕もブレるし音もブレるしで、ミスタッチも多くなるし締まった良い音もでないと、自分で試行錯誤してわかりました。

 

ということは、スポーツで身体を鍛えている人の方が、ピアノでもなんでも、楽器を弾くのに有利な身体能力を持っているということになります(同じヒトの運動活動なので当たりまえですね)。

 

体育系の部活をしている(していた)人は:

体幹ができていて筋力と柔軟性がある、

②骨格を筋肉で動かして力を伝達する方法を知っている、

③ルールやフォーメーションを記憶して試合中に一瞬の判断ですばやく動くといった、脳と体の動きのコーディネーションに慣れている、

④頭を使って工夫しながらトレーニングを続ければ結果が出ることを知っているから、

楽器の演奏が上達するための要件を備えているはずです。

 

プロのアスリートにいたってはもちろんそうですから、第一線を退いたら趣味で楽器を演奏されるといいだろうなぁと思います。元巨人の桑田さんがリハビリでピアノをやったとか、ピアノを趣味で弾く相撲の親方がいらっしゃるとか、どこかで読んだけど、聴いてみたい。プロ顔負けの演奏だと思う。

 

工藤公康氏(ソフトバンクホークス監督)が以前クラシックピアノ雑誌で、ピアニストの方と対談した記事を読みましたが、工藤氏はきっと、ピアニストの方の演奏を見ただけで、ピアノ演奏に必要な筋肉はどれか、どのような骨格の動かし方をすれば最も効率的で体に負担がかからないか、瞬時に把握されたと思います。工藤氏の本を何冊か読んで、プロ野球で長く第一線で投げ続けるためには、身体トレーニングは言うにおよばず、人間のバイオメカニクスや栄養などを知りつくすために、大変な勉強が必要なんだと思いました。

 

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