おんがくの彼岸(ひがん)

「出すぎた杭」の大人ピアノならではの自由と醍醐味(だいごみ)を楽しむtokyotoadのブログ

ジャズの、というかアメリカ音楽の最高傑作

 

以下は、20211025にアメブロに書いた記事:

 

この記事は、

ニューヨークの音楽を象徴する2人

ニューヨークの音楽を象徴する2人(続き)

ニューヨークの音楽を象徴する2人(続きの続きではない)

の続き、ではない。

 

私が個人的に思う、ジャズの最高傑作、というか、

アメリカ音楽の最高傑作は、

セロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」だ。

 

ニューヨークのマンハッタンの真ん中で育ったモンクだけに、

モンク自らがソロピアノで演奏するこの曲には、

深夜のマンハッタンに漂う空気感が、これ以上ないほど生々しく、そして冷徹に、表現されている、と感じるからだ:

 

真夜中。 日付が変わる頃。 

不夜城マンハッタンの目抜き通り、夜でも照明やイルミネーションで煌々と輝くタイムズスクエアやブロードウェイから、少し離れた場所にある、人通りの無い路地に踏み入れば、そこは真っ暗の闇。 

闇の底にぼんやりと見えるのは、

路上に打ち捨てられた、タブロイド紙や、下世話なゴシップ雑誌や、

アスファルトにへばりついた、干からびた吐しゃ物。 

それらの陰に、傍らに、ゆらゆらとたちのぼり、揺れている、

無数の破れた夢や、後悔の念や、未練の思い。

夢に見たニューヨークを目指し、ニューヨークで目指した夢を、叶えることができずに、

夢破れて故郷に帰って行った人たちや、

帰ることすらできずにニューヨークの底辺に沈んでいった人たちの、

念が、嗚咽が、慟哭が、澱(おり)のように、真夜中の路地の底に累々と沈殿し、うめき、うごめき、ゆれている。

表通りを照らす光が明るければ明るいほど、

裏通りの闇は、限りなく暗い。 

人も同じだ。

スポットライトに明るく照らされれば照らされるほど、

影の部分は、限りなく暗い。

 

といったイメージが浮かぶ、セロニアス・モンクの「ラウンド・ミッドナイト」である。

 

モンク自身は、こんなイメージを思い描いて作曲したわけではないだろうが、

マンハッタンで育ったモンクの音楽には、真夜中のマンハッタンに漂う空気感が自然に表現されているのだろう。

 

おもちゃ箱をひっくり返したような、

モンクの音楽は、

洒脱で、お茶目で、 そして、

限りなく醒めている。

 

モンクの、突き放すような音楽が、私は大好きだ。



tokyotoad = おんがくを楽しむピアニスト

 

もとの記事@アメブロ

ジャズの、というかアメリカ音楽の最高傑作 | おんがくの細道

 

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このブログ「おんがくの彼岸(ひがん)」は、私 tokyotoad が、中学卒業時に家の経済的な事情で諦めた「自分の思いのままに自由自在に音楽を表現する」という夢の追求を、35年ぶりに再開して、独学で試行錯誤をつづけて、なんとかそのスタート地点に立つまでの過程で考えたことや感じたことを記録したものです。

「おんがくの彼岸(ひがん)」というタイトルは、「人間が叡智を結集して追求したその果てに有る、どのジャンルにも属さないと同時に、あらゆるジャンルでもある、最も進化した究極の音楽が鳴っている場所」、という意味でつけました。 そして、最も進化した究極の音楽が鳴っているその場所には、無音静寂の中に自然界の音(ホワイトノイズ)だけが鳴っているのではないか?と感じます(ジョン・ケイジはそれを表現しようとしたのではなかろうか?)。 西洋クラシック音楽を含めた民族音楽から20世紀の音楽やノイズなどの実験音楽まで、地上のあらゆるジャンルの音楽を一度にすべて鳴らしたら、すべての音の波長が互いにオフセットされるのではないか? 人間が鳴らした音がすべてキャンセルされて無音静寂になったところに、波の音や風の音や虫や鳥や動物の鳴き声が混ざり合いキャンセルされた、花鳥風月のホワイトノイズだけが響いている。 そのとき、前頭葉の理論や方法論で塗り固められた音楽から解き放たれた人間は、自分の身の中のひとつひとつの細胞の原子の振動が起こす生命の波長に、静かに耳を傾けて、自分の存在の原点であり、自分にとって最も大切な音楽である、命の響きを、全身全霊で感じる。 そして、その衝動を感じるままに声をあげ、手を叩き、地面を踏み鳴らし、全身を楽器にして踊る。 そばに落ちていた木の棒を拾い上げて傍らの岩を叩き、ここに、新たな音楽の彼岸(無音静寂)への人間の旅が始まる。

tokyotoadのtoadはガマガエル(ヒキガエル)のことです。昔から東京の都心や郊外に住んでいる、動作がのろくてぎこちない、不器用で地味な動物ですが、ひとたび大きく成長すると、冷やかしにかみついたネコが目を回すほどの、変な毒というかガマの油を皮膚に持っているみたいです。

 

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↑ 不本意にもこんな野暮なことを書かなければならないのは、過去にちまたのピアノの先生方に、この記事の内容をパクったブログ記事を挙げられたことが何度かあったからです。 トホホ...。ピアノの先生さんたちよ、ちったぁ「品格」ってぇもんをお持ちなさいよ...。

 

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