ピアノ方丈記

音楽の彼岸にて【指の健康寿命を気遣いながら!】シニアのピアノ一人遊びの日々

大人ピアノの真髄を、ジャガーさんに見た

 

ジャガーさんという、千葉を拠点に活動しているミュージシャンを、最近知りました。

 

ジャガーさんは、大人のピアノの真髄を体現している! と、直観しました。 

 

理由は:

 

① 自分で自分のパトロンをしている: 経済的に自立しており、本業(洋服修理業)で稼いだお金を原資にして音楽活動をしているので、誰に支配されることもない、完全に自由な表現活動ができている。 例:地方TV局の枠を自分で買い取って、つまり、番組のスポンサーとなって、自作の番組を放送していた(これこそ、究極の、理想の自己表現活動である。自分で自分の番組のスポンサーになれば、最強だ。自分のカネで番組の枠を買い取って、放送コードの枠内で好き勝手なコンテンツを流しても、他人から文句を言われる筋合(すじあ)いは、これっぽっちもない。文句を言う人は、視聴したくなければ、テレビでもネットでも、スイッチを切ってしまえばいいだけの話だ。視聴したくない人の、人生の貴重な時間もお金も奪わないのだから、すこぶる良心的ではないか。同業者同士ならともかく、義理で断れない立場のカタギの人にまでチケットを売りつけるような、「自称プロ」のほうが、よっぽどタチが悪い)。

 

② 自己表現とは何か、を体現している: 自己表現とは、本来、恥ずかしいものである。 なぜなら、音楽にしても、文学にしても、絵画にしても、自己表現とは、自分の内部を、ドロドロしたところや、恥部も含めて、いやおうなく、さらけ出すものだからだ。 ジャガーさんは、自らの存在によって、「表現者とは何か」を雄弁に体現している。 表現者としてここまで潔い人は、そういないのではなかろうか。

 

③ 長年にわたる活動が成果をあげている: 長年にわたって、自分の表現活動に私財を投じられる環境を維持した結果、口コミから全国ネットTVにも取材されるようになって、人生の佳境に入ってから、ますます安定した表現活動ができている。 多くの芸術家が、人生の途中で自己表現活動が続けられなくなる、最大の理由は、パトロン(親・親の遺産・配偶者・愛人・旦那・谷町(タニマチ)さんなど)の経済力にもはや頼れなくなったことによるカネの欠乏と、カネの欠乏による可処分時間の欠乏だ(自分を食わせるために、ペイのいい別の仕事をして自分の時間を切り売りしたり、老齢になった親の介護に時間を費やすことになったりと、「好きなことばかりして生きてきたことの対価として、気づかない間に自分の《人生のバランスシート》の負債項目に長年積み上がった前受収益勘定」に対応する労働サービスを、いよいよ提供しなければならなくなるから)。

 

④ タイムレスなキャラクターで自己演出している: あのメークと衣装によって、老化を超越した、タイムレスな存在のキャラクターで自己を演出している。 時代の流れの中にいて、あたかも激流の中の岩のように、自分の時間だけを止めることに成功している。 松田聖子を見ればわかるが、生身の人間の容貌をアンチエイジングすることには限界がある。 ジャガーさんは、メークと衣装によって、アンチエイジングの問題を自分から切り離すことに成功している。 老化に抗(あらが)えば、やがてイタい存在になっていくが、最初からイタければ、もはや、後の人生ずっと、イタくない。 

 

⑤ 無理のない活動を続けている: 無理な野望を抱いて自分をオーバーストレッチすることをしないで、あくまでも千葉を拠点に、無理のない、良い意味で「ほどほど」の活動を続けている。 熟年になって「無理のない継続」をキープし続けていることは、「表現活動」というスゴロクの輝かしい「上がり」、つまり、到達点である。 よく、スポーツや楽器演奏で「ゾーンに入る」という言葉が使われるが、経済的自立と表現活動を理想的に両立している状態は、人生そのものがゾーンに入っている状態であり、「人生ゾーン状態」という理想の境地を実現していることに他ならない。

 

⑥ 自分がジャンルになっている:

⑥は、2019年8月23日に追記しました。押井守さんのインタビュー記事に、次のようにありました:

「つまるところ、「自分でジャンルをつくる」しかないんですよ。僕らの表現の世界なんて一番分かりやすい。誰もやっていないことやれば、放っておいてもナンバーワンになる。それが一番面白いことをやる方法でもあるんです。」

これを読んだとき、ジャガーさんもそうだ!と思いました。

引用元:https://diamond.jp/articles/-/212636?page=3

 

⑦ 自己肯定感があるので、自己表現の軸がブレない: ジャガーさんは、健全な自己肯定感を持っているに違いない。 でなければ、あのメーク&衣装で、長年にわたって、みじんもブレずに、表現し続けられるはずがない。 誰に、どう思われようとも、どんなに揶揄されようとも、自分に正直に、自己表現の道を、経済的な安定を確保しながら、超然と継続している。 まさに、前述④の「人生ゾーン状態」の境地である。 その結果、仏法の境地である「天上天下唯我独尊」、超然とした、オンリーワンの存在になっている。

ちなみに、私は、ジャガーさんの音楽の世界観は、ロックよりも、シャンソンやフレンチポップスに近い、と思っている。 メロディーやコード進行、歌い方、そしてアクの強いファッションが、フランス人に親和性があるのでは、と勘ぐっている。

 

⑧ 世の中を笑顔にしている: 笑われることを苦にしていない。 これが真の芸人であり、芸術性の完成の境地である。 笑顔は幸福であり、善である。 人生の佳境に入って、世の中を笑顔にする活動を行うことこそ、現世における真の功徳(くどく)である。

 

 

自己肯定感は、自らも、そして、世の中も、明るく、ハッピーにします。 

 

とはいえ、まずは、生きるために、経済的な基盤を維持することが最重要項目です。

 

それが達成できたら、あとは、自己肯定感を持って、外野の声など気にせずに、自分のやりたい表現活動を続けていくことが、理想的です。

 

日本人はとくに、「上の者に逆らわずに言われた仕事を黙々とこなす労働力」になるように、子供のころから自己肯定感が低くなるように教育されていると思います。 だから、「あなたには無理」とか「あなたは下手」とか「日本人は劣っている」とか「海外はこうなのに、日本は...」みたいな、(ある種の狙いを持って発せられるものも多い)ウソ八百も含めた有形無形のメッセージを受け取ると、それを額面どおりに受け取ってしまって、すぐにへこんでしまうのです。 額面を信じ過ぎ!  日本人は、もっと自信を持って当然なんです、自信を持って、お釣りが来るくらいです。 それに、自己肯定感が低いと、ピアノはおろか、仕事だって、何をやったって、うまくいくはずがありません。 自分のために、そして、未来の日本のために、何としても、自己肯定体質に変えるべきです。 

 

世の中は、マウントをとりに行こうとするヤツラに満ちています。 これが、インティミデーション(脅し)です。 「あなたには無理」、「あなたは下手」、「あなたは劣っている」、「日本人は劣っている」、「海外から嘲笑される日本」、「どうして日本は●●国よりも自由じゃないのか」などと、煽るようなことを言って、私(日本人)を委縮させて、自分に都合の良いように事を運ぼうとする、エセ先生や、エセ日本人がたくさんいるみたいなので、気をつけなければいけません。 

 

ウソかホントかもわからないような外野の声は無視、無視。 卑屈になればなるほど、つけ込まれます。 つねに超然として、自分の軸を大切に、自主的に考えて、心地よくやっていくことが、いちばんです。

 

人の言うことをバカ正直に鵜呑みにして、いいように操作され無力化されることを防いではね返すためには、自己肯定感を高めて、自分の軸をしっかりと据えることです。 これは、「ピアノが弾ける」ことよりも、「英語が喋れる」ことよりも、はるかに重要なことです。 自分自身をないがしろにする人や、国民をないがしろにして当然のごとく我慢を課すような、自己肯定感の軸のない人間や国に、未来はありません。

 

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